為替リスクヘッジ

・投資に何を求めるのか
投資をするにあたっての目的やリスクは人それぞれ色々あると思いますが、資産運用の手段として海外投資を選ぶ上での最大のリスクは為替変動にあるといえます。
海外で1千万円分の資産を運用し、利益が出たと仮定しても為替が変動しやすい通貨だった場合、利益は増える可能性もありますが、大きく目減りする可能性もあります。
しかし私は大きく上げて次の2つの理由から、今から海外で資産構築をしていくことが有利になると考えています。

1・現在は円安と言える事。
ドルの通貨供給量と円の通貨供給量を比べた場合、ドルの通貨供給量は円の通貨供給量に対して多い状態が続いています。
しかし円ドルのレートに大きく変化はない状態にあり、米ドルの実質実効レート(実際の価値)は、過去20年の平均と比べて1割程度高い状態にあります。
米財務省が年に2回発表する為替報告書は、この実質実効レートを基準にしています。
2018年4月の報告書の中の話となりますが
「日本の実質実効レートは過去20年の平均より25%近く低く円安水準である事、また名目円レートで見た時に、2013年の前半から歴史的な平均値を下回っている状態である」とあります。
つまり、アメリカとしては円安が進みすぎているという認識があるといえます。
これらのことからトランプ大統領が「米ドルは高い」というのは別に間違っていないことになります。
よって、短期的に見た際に円は円高方向にすすむと考えられます。

2・日本のGDP借金比率が世界ワースト1位である事
国単位でみた時に債務超過をどのように解消するかについては、
国債の発行によって解消されるといえます。
つまりインフレです。
長期的な目線で見た時に、日本の債務超過をこのまま放置することはできないので、円の流通量は増えると考えられます。
その結果長期的に見ると円は円安方向に進むと考えられます。

これらのことから、円は最終的に今よりも円安方向に進むと考えられるため、
流動性の低い資産を国内で持ち続けるよりも、流動性のある資産を国外に構築していったほうが将来的に有利になると考えられます。